このレビューはネタバレを含みます
タイトルが面白いな、と思って観ました。
とても面白かったです!
カロライナの湿地からほぼ出ない、舞台劇のようなお話。
派手なアクションや爆発とかカーチェイスなんて無縁だけど魅せてくるこういう作品大好きなので、とっても刺さりました。
湿地に住んでいる、というだけで町の人から疎まれ蔑まれてきた主人公が被告の裁判、人間の善性をみたなと思える判決だったけど帽子の毛の話がどうしてもひっかかって、実はテイトが犯人なのか?と疑ってしまいました。
最初から最後までテイトめちゃくちゃいい人で、疑ってごめんなさいの気持ち。
でもドタキャンは本当にダメ。言い訳がましいとか君に合わせる顔がないとか、そういうのどうでもいいからちゃんとしろ!!と思った。
好きな女の子相手じゃなくてもドタキャンするならちゃんと連絡しようね!!
裁判のラストシーンで主人公がお腹をさすっていたので、これテイトと結ばれた後に子どもが生まれて「さて誰の子でしょう」的な終わりをしたらやばいな〜と思ったのですが、そうはならなくてよかった。
テイトへの対応も結構塩だったのでテイト犯人説が浮かんでしまったけど、普通に気まずかっただけかな?
お店のオジサンが1番泣きそうになった。
あんなに最初、関わるの嫌そうだったのに怪我してるじゃないか、大丈夫か、って寄り添ってくれて…奥さんが敬虔な教徒じゃなかったらああはならなかったかもだけど、オジサンの葬列もじんとした。
主人公の本を店に飾ってくれるのもすごく良かった。あんな立派な本、カジュアルな湿地のお店で売れるわけないと思うのに置いてくれてる心遣いが素敵。
それだけにラストが本当にもう、主人公の肝っ玉どうなってんねん…食事会のカマキリの話題、ミスリードなのかなと思ったらガチだったんかい…。
いや、死ぬまで隠し通せてむしろ良かったのかな。
主人公は「いつか誰かが来てくれるはず」と湿地に執着していたのもあったけど、何より湿地に魅了されていたんだなと思った。
家族も友人も恋人も去ってしまう中、絶対に無くならないし、慰めてくれる気さえする湿地を拠り所にしていたのがすごく伝わった。
結婚しよう、とテイトが言った時、もうしてるじゃない?と返して少し驚いた。
「ガンと同じようなもの」がすぐには理解できなかったけど、すごく素敵な言葉選びだと思う。
すぐそばに常にあって忘れられなくて、つい考えてしまう痛みを伴うもの。
それをパッと言えちゃうんだから本当に頭がいいんだなあ。