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ロストケアのboncetratのネタバレレビュー・内容・結末

ロストケア(2023年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

障子を開け放ち清拭する介護士はいない。しかも寒い季節に。監修は入ってるのだろうか、現実味に欠けた。犯人が包括支援センターに相談したりケアマネに相談したり、介護認定を受けて年金で入れる老人ホームを探すなど、そういう自分がするべき行動の一切を無視して嘱託殺人を正当化している姿が異様だった。介護士の資格を学ぶ中で気がつくのでは。検事も家族だからの感情論のみで奇妙に感じた。検事なら社会制度の仕組みで反論してほしかった。犯人があの時に何ができて、父親に何をすべきだったのか。社会のせいで終わらせず、提示が必要だった。家族、老い、病気、介護、福祉、認知症、尊厳死、嘱託殺人、連続殺人とテーマが多いのに残るのは散らかった感情論と混乱、不安。社会に穴はあるけど、手立てもある。そこまで描いて欲しかった。生活保護以外の社会制度をあえて伏せる事で犯人により同調させるような構図も不誠実に感じた。どうか観た人が絶望しませんように。
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