しーにゃ

ロストケアのしーにゃのネタバレレビュー・内容・結末

ロストケア(2023年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

なんだかやるせない。

検事大友(長澤まさみ)
訪問介護センターで働く斯波(松山ケンイチ)

自分が行ったのは殺人ではなく、「救いだ」
そう主張する斯波。42人とその家族は救われたのか。

検事である大友の母は老人ホーム、父は孤独死。からの斯波への聴取。
自分の感情も揺さぶれる大友。
ホームに入れることができるひとはまだ良い。
では、出来ない人は。
経済的に訪問介護も頼ることが出来ない人は。
どうすれば…

斯波と父(榎本明)のやり取り、ラストの折り鶴のシーンは涙が流れ落ちる。
一言では表現できない切ないシーンはところどころにある。

刑務所にいる斯波に面会した大友が自分の父親の話をするところ。
救われたと呟く家族の女性(坂井真紀)。
法廷で人殺し、お父さんを返せ!と叫んだ女性(戸田菜穂)。
日々、刻々と移り変わる感情。
愛情と絆に苦しむ苦悩。

斯波の住んでいた部屋。壁際にポツンとある机と本棚。聖書。他に見当たらない娯楽や趣味のもの。なんだか刑務所の一部屋みたいだと思った。
父親を救ったという彼自身も誰かに救って欲しかったのだろうと思われる裁判での最後の言葉。

せつない!

見て良かった。

※追記
もしかしたら、その後の41人は自分が父親を殺してしまったことを納得&正当化するための行動だったのかもしれないね。あの部屋をみると余計にそう思う。

そして、同じく訪問介護で働いていた後輩の女の子。介護辞めてからの無気力感ぽいシーン。なんだかゾワッとした。一気に違う方にいっちゃったね。
しーにゃ

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