わ2

ロストケアのわ2のネタバレレビュー・内容・結末

ロストケア(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

記録用。Amazonプライムで視聴。
家族という呪縛、日本社会の一度落ちれば藻掻くことのできない構造を穴に例えた、かなり重たい内容の作品。

「人には見えるものと見えないものがあるのではなく、見たいものと見たくないものがある。」
大友検事のこのシーンで全く同じことを考えました。穴を覗かなければ底は見えないし、底に手を伸ばさなければ底のものたちは這い上がることはできない。

孤立、孤独の話であると共に人間の個としての尊厳を保つ話。
生まれたからこそ自分も他人も幸せになれることを願うし、それを望むことと、そのために他者を孤立させてしまうことの切なさを感じました。

役者の演技も良かった。少々セリフ回しが気になるところや個人的に必要のないと感じる場面もありましたが、登場人物に救いを与えたかったのかなと思いました。
またシーンに余韻を持たせてこちらに考えさせる時間を設けてくれると思えたので、こういった社会問題に関心がある方なら特に、心に余裕があるときに観てほしい作品です。
わ2

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