常盤しのぶ

映画刀剣乱舞-黎明-の常盤しのぶのレビュー・感想・評価

映画刀剣乱舞-黎明-(2023年製作の映画)
3.5
はせべとギャル審神者で一部界隈が少しざわついた本作。刀剣乱舞のへし切長谷部とギャルという組み合わせだけでも面白いのに、博多から東京までの道のりをバスで移動するというどうでしょうな登場方法。頼むから本作とは別にはせべとギャル審神者のバス旅を映像化してほしい。なんなら初対面から映像化してほしい。絶対面白いから。本作でチラッと映ったバス内のはせべの浮きっぷりだけでもめちゃくちゃ面白かった。

本作は刀剣乱舞の実写映画としては二作目にあたる。が、前作を観ていなくても十分に楽しめる内容となっている。冒頭で一期一振のアクションが殺意マシマシで思わず笑ってしまった。刀をそんなレイピアみたいにドスドス突き刺すのは君しかおらんのよ。

日常パートは三日月宗近と女子高生審神者がメインで進行する。所々でゲームから輸入してきたと思われるモーションが脈絡なく出てくるが、後から聞くところによるとそんな演出はゲームに存在しないらしい。えぇ……?

知る人ぞ知る表現を用いれば、本作は良くも悪くも春映画である。映画としてのクオリティがB級で、キャラの人気でゴリ押しして、集合して、それでなんかよくわからんうちに敵を倒して大団円で終わる、あの感じ。あの感じが好きな人には本作は刺さると思う。ただ、刀剣乱舞というゲームを少しも知らない人が観ても置いてけぼりを食らうかもしれない。私は大好き。

それはそうとまたギャル審神者とはせべに話を戻すが、彼らの別れのシーンでギャル審神者が自分のフルネームを伝えるシーンに痺れた。はせべがもともとそういう出自だと知っているからこそ別れの時まで下の名前だけを明かして、彼に変な気を使わせることなく接した。そして最後の最後でフルネームを明かして素性を知ろしめた。ただのギャルではない、格の違いを見せつけられた。