常盤しのぶ

モータル・コンバットの常盤しのぶのレビュー・感想・評価

モータル・コンバット(1995年製作の映画)
3.5
モータゥコンバーッ!!!!
冒頭から大音量で流れてくるジュリアナ東京めいたバブリーなユーロビートがクセになる。セットや小道具は割としっかりしているのに、役者の演技や脚本・シナリオが追いついていない感じもまたクセになる。更にCG?VFX?はゴーストバスターズのような80年代クオリティでまた味がある。本作はそんなクセの強さを堪能するための作品と言える。

モーコンは今でも続く格ゲーシリーズで、本作でもそういったゴア要素を頑張って再現しようと努力している痕跡は随所で感じられる。本作に限らず、こういったゲームの実写化で原作要素を探すのは地味に楽しい。

それはそれとして、原作付の映画は原作要素と映画として楽しめるアレンジとのバランスが難しいと思う。原作に忠実であっても映画として面白くなければ意味がないし、アレンジが多くても内容によっては原作愛がないとブーイングが飛んでくる。

映画としての面白さは、前述したようなセットのクオリティと、主人公のリュウ・カンのアクションで、B級映画の中でもある程度高い水準にまで持っていけていると思う。ジョニーはアクション俳優らしく型にはまったアクションは綺麗だが、ラフファイトになるとアドリブが効かず弱くなる。このあたりのステータス設定は地味に好き。蛇野郎との戦いでも自身の類まれな戦闘センスで戦いの中で成長し、機転を効かせて辛勝した。リュウ・カンとジョニー、この二人のアクションは良い。

問題はソニアだ。彼女のそれはどの場面を切り取ってもモッサリモッタリしている。ガンアクションでも銃身にハエが止まりそうである。……銃身にハエが止まりそうなんて表現、初めて使ったな。とにかく、彼女が絡む戦闘は観ていて気が緩んでしまう。

本作は他の映画と見比べて見劣りする要素が多数あるかもしれない。しかし、私はこの作品が好きだ。何故だろう、何度も観たくなるくらいクセになっている。