まこ

恋する惑星 4Kレストア版のまこのレビュー・感想・評価

恋する惑星 4Kレストア版(1994年製作の映画)
4.0
公開から約30年経って、ウォンカーウァイ監督作品を初めて観た。当時も話題だったことは覚えてるけど、そのときは観るまでには至らなかったんだよね。でも時を経てこうして観てよかった。90年代の色彩や空気感、ファッションなどがギュッと凝縮されていた。

1本の映画にまったく別の2つのエピソードがパッケージされてるって解釈でいいのかしら。なんか不思議。久しぶりの金城武を懐かしく思いつつ、日本語のセリフに思いのほか色気を感じてしまった。日常の些細なことで作品が形成されている感じ、きらいじゃない。美しい人たちと、雑然とした、湿度のある街のコントラスト、それがよかった。
フェイウォンが登場した瞬間、「映画のビジュアルの女の子だ!」って、ようやく合点がいった。それまで金髪の女はカツラで、それを取ったのがフェイウォンだと思ってたから。家主がいない間に、勝手に侵入して模様替えってよく考えたらおかしいけど、そうやってでしか自分の存在を示せない不器用さが微笑ましく思えた。

あとは音楽。『California dreamin』とクランベリーズの『Dreams』。儚さと心に迫るものがある。街、いろんな立場の人、音楽、いろんなものがミックスされた感じがこの映画の世界観を作っていた。

この1本だけではウォンカーウァイ作品は語れないと思うんで、これをきっかけにほかの作品も観ようと思う。
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