まこ

花腐しのまこのネタバレレビュー・内容・結末

花腐し(2023年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

137分と2時間以上だったのに冗長もなく、映画にどっぷり浸かった。

荒井監督は、原作を意訳し、ご自身が長年関わってきたピンク映画への設定に変えたことで、映画としての説得力を増したんだと思う。
2000年から2012年の設定なのに、昭和の匂いがして、新鮮さといった意味ではないかもしれないけど、映画の歴史を知る人が撮った安定感みたいなものを感じた。

何はともあれ、私にとっては「推し×推し」(綾野剛×柄本佑)の映画だから、観ないという選択肢はなかったんだけど、R18だからそればっかりじゃイヤだなと思ったが、そこにしっかり物語がのっかっていた。綾野剛、柄本佑、さとうほなみ、3人の芝居がとてもよかった。タバコを吸う姿やお酒を飲む仕草など、所作だけで見惚れる。

晴れてるところと雨の境目とか、栩谷が朝起きてパソコンを見ると、夜までのことがシナリオとして打たれているところとか、最後の祥子の幻想とか、フィクションの中にフィクションがあって、それも映画ならではだと思ったし、脚本の妙だと感じた。

で、エンディングですよ!
エンディングにしては音大きいし、雑じゃね?と思ったら祥子のカラオケシーンだったとは。しかも2番から栩谷(剛くん)がデュエット!なんのサービスですか? 歌詞も相まって泣けた。観たあと改めて歌詞を読んだら、まさしく栩谷と翔子だった。
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