2023.2.18 5-28
どこを切り取っても良いくらい、映画がかっこいい。あるいは、どこを切り取っても良いくらい、カメラワーク・俳優の挙動が物語の軸から独立している。
人物自体に狂乱めいたものは感じないのだけど、カメラは被写体に近く、俳優のポーズ、動きは誇張されて、特徴的でかっこいい画面ができている。そのかっこよさは、俳優の素材の良さとそれを操作する演出の良さで成り立っている。だからこそ、銃撃戦は全く緊張感を感じないで観れてしまう。2丁拳銃を構えている俳優の姿がかっこいいだけ。
何か挙動は常軌を逸しているけど、その人物から出てくる狂気ではない点で『恋の惑星』と似たような印象を受ける。他の王家衛には、この点をこの作品ほどには感じない。『プエノスアイレス』のレスリー・チャンは、人を惹きつける狂気を感じる。
俳優はみんな美人なんだけど、特に殺し屋の顔が可愛い。