一つの映画としては散漫ではありつつ、花様年華の続編だとすればその流れを踏まえた世界に妙に腹落ちする。
チャウはシンガポールから帰ってきて、自堕落になり、一層キザに。
行きずりで、刹那的な関係で自分を満たしながら、それと同時に自分のすり減らす。
過去に囚われ続け、目の前の視界がぼやけてるのだろう。
しかし、その棘は他人にも刺さり。
カメラワークが相変わらず美しく、かっこいい。
女性の撮り方がうますぎる。
音楽も欲しいタイミングで、最高の選曲。
SFは意味が分かれば、実によく出来たメタファーになっている。
尺が冗長かと思ったが、『2047』により意味合いをもたらすために不可欠なシンガポールのシーン。
全てがここを原点に動いていた。