このレビューはネタバレを含みます
途中これはファンタジーに寄っていくのではという一抹の不安があったものの、最終的には極めてアクチュアル。
一人の男を追って、そして自分の失恋は見過ごす。かなり自然に見えて、他方で欺瞞的な生き方。
彼女の愚直さに観ている我々はどこか惹かれているわけだが、現実的な設定を明かされた時にハッとするわけである。
不可逆的な人生の残酷さとそれに伴う生きることの加害性を突きつけるわけだが、そこに完全悪があるわけでなく、人間が生きる上での致し方なさみたいなものも感じざるを得ない。