期待外れで、真実があまり見えてこない編集が少し残念だった。聖火リレーの出演キャストだったので、実際にいた現場のシーンがあり嬉しかったが、聖火リレー=一般国民のオリンピック集大成みたいな単一の描かれ方なのは簡単すぎた。森会長のメディアとは違う姿や、政治的駆け引き、開会式メンバー問題など、公式ドキュメンタリー制作の特権を使って、ドアップで人の表情を切り抜いていたのは、見えないものが見えたようで良かった。コロナオリンピックというよりはジェンダーオリンピックだったという印象が強く残った。sideBはsideAとは対照的に、見えない支える人々を焦点にしているかと思いきや、選手やコーチ、名の知れた要人物がほとんどの尺を占めているし、バッハ批判のデモのみ取り上げていて日本の政治批判のデモは一切抜かれていたのには、監督の意図や葛藤、圧力を感じざるを得なかった。選手村の食堂責任者やバスケットや競技場の設営者たちは、溢れる感情がリアルでとても視点が良かった。
