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墨東綺譚のkamekichi313のレビュー・感想・評価

墨東綺譚(1992年製作の映画)
4.0
⭐︎永井荷風の奔放な生涯と孤独な晩年を描いた、芸術性の高い映画。
⭐︎大正モダンな着物のコーディネートや男性のスーツ姿にパジャマ姿など、上質で洗練されたデザインの服装が美しい。次々と綺麗な着物や帯が出てきて見どころたっぷり。着崩した浴衣スタイルも涼しげで粋。
⭐︎強い光と影のコントラストの映像が芸術的。鮮やかな衣装そして繊細な人物の表情を印象的にして、さらに引き立てている。
⭐︎渋く落ち着いたナレーションや永井荷風の独白が頻繁に入り、古い文体で聞き取りにくいが趣がある。
⭐︎津川雅彦の渋さがかっこいい。女優勢は、皆日本風の美貌で、スタイルも完璧で美しい。
⭐︎戦争の最中の時代に翻弄される庶民の姿や、贅沢に厳しくなる雰囲気がしっかりと描かれている。
⭐︎路上のヴァイオリン演歌が、当時らしく、聴かせる。
⭐︎大衆演劇の舞台シーンだけ、何故か撮影された90年代の現代っぽさがあった。
⭐︎ラストの前後の逆転劇には、スカッとして驚かされた。
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