kamekichi313さんの映画レビュー・感想・評価

kamekichi313

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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

5.0

⭐︎離れ離れの父と娘との、温かくも切ない普遍的な関係性を丁寧に描いた作品。ひと夏ひとつの宿で過ごした短い時間が、まるで人生の全ての瞬間を凝縮させたかのような不思議な映像。いつか別れは来ると優しく伝えら>>続きを読む

ワーキング・ガール(2014年製作の映画)

3.0

⭐︎白飛びするくらい真っ白で露出の強すぎる映像は眩しい。
⭐︎アメリカのTVshowのようなポップな色使いや画面構成、キャッチーな絵とBGMの絶妙なテンポが面白い。
⭐︎おもちゃ会社のオフィスが、ティ
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アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド(2021年製作の映画)

3.5

⭐︎アンドロイド人間の登場で、人間が欲望を全て手に入れて依存する近い未来の世界を描いた、社会的テーマのロマンス作品。
⭐︎序盤から見た目に反したAIらしい、抜くことを知らない絶妙な無機質さのある会話と
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トーマス・クラウン・アフェアー(1999年製作の映画)

4.0

⭐︎企業エリートの顔を持つ大強盗と保険会社の敏腕女性のお洒落で壮大な駆け引きのストーリー。
⭐︎この年代のサスペンスやアクション映画特有の荒いタッチもありながら、同時に50年代のようなクラシックな品の
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散歩時間~その日を待ちながら~(2022年製作の映画)

3.5

⭐︎コロナ禍の人々の日常を切り取って重ね合わせた群像劇。自然体な演出と芝居に引き込まれて、温かくも少し切ない雰囲気が絶妙。
⭐︎群像劇は偶然の繋がりが起こり過ぎてもはやフィクションとなってしまっている
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TAR/ター(2022年製作の映画)

4.5

⭐︎音楽の気高いエリート世界で、名声や性欲にまみれた生々しい人間の姿を、これだけ美しい芸術的映像作品に昇華していることが素晴らしい。
⭐︎パンデミック後の芸術家の、取り戻せない時間についての葛藤が、リ
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七人の秘書 THE MOVIE(2022年製作の映画)

2.0

⭐︎秘書たちがチームワークで、事件の闇や組織の正体を暴くストーリー。
⭐︎ドラマを観ていないと、初期設定やそれぞれの関係性や経歴が分からず、入り込めない部分も多かった。
⭐︎日本の映画ドラマシーンで主
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愛の旋律(2018年製作の映画)

4.5

⭐︎運命に、人生の流れに翻弄される、一人の女性の人生が、あたたかくも切ない。壮大な母と子の愛情のお話。
⭐︎ユ・ホジョンの芝居が素晴らしい。
⭐︎韓国映画らしいお洒落さで、一昔前の時代なのにバーやオフ
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ミュジコフィリア(2021年製作の映画)

3.5

⭐︎現代音楽研究サークルという設定が、これまでにないもので、斬新なストーリー展開だった。
⭐︎肝心の映画音響が、賛否の分かれるところかもしれないと思った。劇場環境では細かいところも聴き取れるかもしれな
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月の満ち欠け(2022年製作の映画)

2.0

⭐︎輪廻転生を主軸にして、人間の奇跡の繋がりを描く作品。ありえないくらい設定が出来すぎていて、感情移入はしにくいが、優しさや暖かさのある雰囲気は心地よい。
⭐︎恋愛映画としてベタなテンポ感や展開。
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セカンドバージン(2011年製作の映画)

1.5

⭐︎大人の複雑で深い愛を静かに描いた作品。
⭐︎アマプラで観た版が、字幕なしのものだったので、序盤の英語が聞き取れないところもあり、手間取った。鈴木京香さんの英語は日本人からするとかなり聞き取りやすか
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俺の過ち(2023年製作の映画)

2.5

⭐︎完結しない複雑な恋愛ストーリーで、起こる事件も大きいが、今一つ主題のない話だった。
⭐︎主人公たちが、色気のある美男美女で、恋愛の駆け引きがとにかく絵になる。
⭐︎カーアクションをやや無理やりねじ
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20歳のソウル(2022年製作の映画)

2.0

⭐︎青春音楽の映画かと思いきや、予想以上に病気が主題になっていて、ベタな展開にちょっと期待外れ。肝心の作曲の深い内的な欲求、その瞬間の思考の高まりがほとんど描かれておらず残念。
⭐︎月日があっという間
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水の中のつぼみ(2007年製作の映画)

2.0

⭐︎少女の歪んだ友情と愛情が、ティーンエイジャーたちの日常と欲望の狭間で揺れ動く。
⭐︎隠さない生々しい描写が多く、特にゴミを貪り食べるシーンは吐き気がする。
⭐︎やたらと子供たちの着替えのシーンが多
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ボブ・マーリー:ONE LOVE(2024年製作の映画)

2.5

⭐︎ボブマーリーという、世界的音楽スターの内的世界にそっと迫っていく。父親の不在と内戦という危機的状況で心に深く負った傷を、創造的音楽表現を続けていくことで自身が人間的に成長してゆき、空白の解を見つけ>>続きを読む

1秒先の彼(2023年製作の映画)

3.5

⭐︎夏の強い光と影、日焼けした肌、夕方の一瞬の静けさ、そして一方通行の愛情の行方を描いたファンタジーは切ない。
⭐︎京都のはんなり風情ある雰囲気やセリフの感じが心地よい。子どもっぽい優しいナレーション
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墨東綺譚(1992年製作の映画)

4.0

⭐︎永井荷風の奔放な生涯と孤独な晩年を描いた、芸術性の高い映画。
⭐︎大正モダンな着物のコーディネートや男性のスーツ姿にパジャマ姿など、上質で洗練されたデザインの服装が美しい。次々と綺麗な着物や帯が出
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輝ける人生(2017年製作の映画)

2.5

⭐︎ブリティッシュシニアたちが、人生の様々な困難にもがきながら、生きる喜びを謳歌する映画。
⭐︎中華料理店のシーンでアジア人ヘイトのジョークががっつりセリフとしてあって不愉快。
⭐︎ブリティッシュらし
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アップグレード:どん底女子の幸せ探し(2024年製作の映画)

2.5

⭐︎現代版のシンデレラの童話設定のラブコメ。
⭐︎アート業界のニューヨーカーのイケイケな雰囲気がモードで洗練されていてカッコいい。
⭐︎モノトーンのスーツやセットアップの着こなしはシンプルなのに個性が
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アイデア・オブ・ユー ~大人の愛が叶うまで~(2024年製作の映画)

3.0

⭐︎世界的ボーイズグループの男の子とシングルマザーの恋愛設定は、非現実的ではあるが、現代らしさ満載。
⭐︎母役でもバンビ系のキュートさ満載のアンハサウェイが可愛い。ロング前髪ありスタイルも似合っている
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ヘイティング・ゲーム 恋とキャリアの必勝法(2021年製作の映画)

2.0

⭐︎アメリカのドキュメンタリーバラエティ番組テイストのサクサクとポップでクールな雰囲気のオフィスラブコメ。
⭐︎主演2人は対照的な設定だが、どちらもキュートで可愛い。
⭐︎NYらしさよりもフレンチブリ
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やがて海へと届く(2022年製作の映画)

3.5

⭐︎人がいなくなることのありえない近さに葛藤するテーマ。少女から大人になる狭間の、友情と愛情のせめぎ合いもリアルに丁寧に描かれている作品。孤独と癒やされない傷について考えさせる。
⭐︎特に事件が起こる
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MISS ミス・フランスになりたい!(2020年製作の映画)

4.0

⭐︎トランスジェンダーの男性がミスフランスになるために頑張るシンデレラストーリー。
⭐︎理解ある仲間ばかりでも、最後まで孤独が漂う少し悲しげな雰囲気は、余韻が残る。
⭐︎主人公が本当に美しい。ナチュラ
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ある閉ざされた雪の山荘で(2024年製作の映画)

3.0

⭐︎脱出ゲーム要素が強く、すぐに入り込める。バラエティ番組の企画を見ているよう。
⭐︎主役を張るキャストが勢揃いで、俳優陣が豪華。
⭐︎映画の中で、芝居を演じる役者が芝居の設定の中で生きて、殺人が行わ
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湯道(2023年製作の映画)

3.0

⭐︎銭湯をテーマにした珍しいほのぼの映画。
⭐︎撮影の構図が面白い。シーンの切り替えがきれいに繋がっていき、色んなモチーフが使われていて、芸術的。
⭐︎重厚な外観に木目調の内装、レトロな雰囲気をそのま
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愛なのに(2021年製作の映画)

3.5

⭐︎愛に真っ直ぐな主人公と高校生と、浮気心で遊ぶ不真面目な大人たちとの対比が効果的だった。
⭐︎大人の恋愛のドロドロ模様は、人間のいやらしいしたたかな感情が溢れていて、なかなかリアル。
⭐︎終盤の浮気
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ドーナツもり(2022年製作の映画)

4.0

⭐︎主人公の穴を通して見た、変わったお客さんたちが次々と登場して、40分の短い時間が濃密であっという間。
⭐︎ドーナツもりのショップは、古民家改造のナチュラルインテリアで雰囲気があって可愛い。カラフル
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大河への道(2022年製作の映画)

4.0

⭐︎日本で初めて地図を作った伊能忠敬をテーマにした設定はこれまでない斬新な視点で、伊能忠敬が本当に地図を作ったのかという疑惑とその真相を解く要素もあるので終始忠敬の話題でもどんどん入り込める。
⭐︎現
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つぐない(2007年製作の映画)

3.5

⭐︎密かな愛の世界から、一気に転落していき悲惨な現実と想像とが交錯する世界へと変わる中での、一生の後悔がテーマ。戦争の描写は悲惨で、それと重なるように過去の過ちを悔やみ続ける人物描写が際立つ。死に方も>>続きを読む

太陽の下の18才(1962年製作の映画)

3.0

⭐︎とにかくファッションが良いに尽きる。今見ても新鮮なフレンチリゾートスタイルの女性が次々と登場して、その彩りや上質さやコーディネートはファッションショーを見ているかのよう。キュートで品があって、帽子>>続きを読む

先生! 、、、好きになってもいいですか?(2017年製作の映画)

3.5

⭐︎真っ白な色合いの映像と強い自然光が差す光の加減が、透明感抜群で綺麗。
⭐︎立場を超えた運命的な出会いと恋愛、豊かな愛情をたっぷり感じられるストーリー。春に観るのがぴったり。
⭐︎広瀬すずのあどけな
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もうひとつのことば(2021年製作の映画)

4.0

⭐︎魅力溢れる主人公2人の、少し変わったラブストーリーが、リアリティがあって心ときめく素敵な演出の映画。
⭐︎オープニングのマスクを取る何気ない瞬間の出会いから、ざわざわさせる会話や仕草の要素が次々と
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銀座カンカン娘(1949年製作の映画)

4.0

⭐︎昭和のレコード時代に大ヒットした、銀座カンカン娘がテーマ曲の明るいミュージカル調の日本の銀幕映画。
⭐︎フラットな癖になる歌い方と、次々と流れるキャッチーなフレーズのメロディが良い。カンカン娘のバ
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恋のチャンスは5回まで(2024年製作の映画)

2.0

⭐︎シドニーに住む中国系のヒロインが、ひょんなことから恋人探しをする、いたって普通なラブコメディ。
⭐︎アメリカナイズドされた中国、東洋の雰囲気がふんだんに取り入れられていて、モードな雰囲気と相まって
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ある男(2022年製作の映画)

4.5

⭐︎バックグラウンドに重荷を背負って、非難されながら生きる人間、運命に翻弄される人々の葛藤と偶然の繋がりという繊細なテーマを、ミステリー調に仕上げていて、ドキドキさせながら何かを投げかけるような構成が>>続きを読む

恋は光(2022年製作の映画)

3.5

⭐︎ティーン向けのラブコメかと思いきや、恋についての哲学を若者が直球勝負で考察する設定で、大人こそ楽しめる内容なのが他になく斬新。
⭐︎台詞の語尾や文法的形が個性的で面白い。全員大学生なのに、昭和的な
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