たく

アポロ10号 1/2: 宇宙時代のアドベンチャーのたくのレビュー・感想・評価

4.2
『ウェイキング・ライフ』や『スキャナー・ダークリー』を観ている人は、またロトスコープ手法で撮られたリンクレイター監督の新作アニメ映画か!と思い、同時にビフォアシリーズや6歳の僕系にどハマりしている私なんかは、「大丈夫かなー」と不安になりもしたけど、今作はほんと面白くてケラケラ笑いながら、「あったなあー」(経験してないのに)という郷愁感すら抱いてしまう名作でした。

何か凄いことが起こるわけ(いや起こるんだけど)でもなく、感度的なシーンがあるわけでもないのに、ずっと記憶に残りそうなお話。
テキサス出身リンクレイター監督の幼少期に基づいて書かれた話のようで、当時誰もが夢見た宇宙への旅行、月面着陸、の時代。
日本では万博にきた月の石が、クレヨンしんちゃんの大人帝国で描かれたり。私の父も多分見てる。

それはそうと、イーサンホークが声ガラガラじゃなければテキサスお兄さんとして大人時代のスタンはイーサンホークだったんだろうな、と妄想しながらも、ジャックブラックだからコミカルに楽しめるナレーションになってました。当時を知らない人たちでも普通にエピソードとして面白い小話が盛りだくさん。

ロトスコープなのに途中実写なんじゃないか、みたいなシーンとかもあったり、その不確実さの感じが、夢を見ているときの映像のようで、うまく描かれてる。
実際このアポロ10と1/2号の月面着陸の思い出も、スタンの夢の話だったかもしれない。着陸の放送を寝ながら聴いたため、自分もしてたと勘違いしたのかもしれない。いや、本当にスタンは月面着陸したのかも。
それくらい不確かでワクワクするような、「記憶」がアニメとして描かれて、かつストーリーも面白い。

Netflixでこれが観れるんだから観ないわけにはいかないでしょう!
たく

たく