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アポロ10号 1/2: 宇宙時代のアドベンチャーのBOBのレビュー・感想・評価

4.0
リチャード・リンクレイター監督の新作。1969年夏、アポロ計画下のヒューストンを舞台にした青春群像劇アニメ。

🚀🧑‍🚀

一般的な認知度は高くないようだが、これは傑作。リチャード・リンクレイター監督が、自身の少年時代の思い出をぎゅうぎゅうに詰め込んだタイムカプセルのような作品。ただノスタルジーに浸っているわけではなく、子供ながらに抱いた社会への疑問点もそのまま描かれている。

NASAの有人飛行ミッション"アポロ10 1/2"に自分が参加できたら、、という少年のWhat Ifな妄想と、NASAのお膝元ヒューストン郊外で暮らす中流階級家族の日常生活が、具体的かつユーモラスに描かれていく。各エピソードが興味深く、楽しく、ニヤニヤが止まらなかった。また観たい。

リチャード・リンクレイター監督の脚本はやはり秀逸。何気ない日常を切り取る独自の視点が面白い。ナレーションの言葉選び、ユーモアセンスが良い。60年代アメリカの広告風手書きイラストと実写とCGIを組み合わせた独特のアニメーションが、良い味を出している。

家族で遠出した帰り道、何の心配もなく車で眠って、次の日の朝自分のベットで起きる。子供時代にしかできない貴重な経験だったな〜。

🤮からの回想シーンはセンスが良い。笑


アストロワールド(ジェットコースター)・アストロドーム(初の電光掲示板、人工芝)、保守的な両親vsリベラルな子どもたち(ヒッピー、ベトナム戦争)、母親の節約料理術(週末に一週間分のサンドイッチを作って冷凍保存)、祖母の陰謀論、宇宙開発フィーバーに便乗したCM、映画(家族並んで映画館、ドライブイン・シアター)・テレビ(家族団欒の場にテレビ)・遊び(ローマ花火戦争、飛び込み)・食べ物(フリートパイ)・音楽、クイズ番組を装ったイタズラ電話とその撃退法。大人は子供を動物のようにしつける、アポロ計画に対する反対意見。



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