ヒカル

長ぐつをはいたネコと9つの命のヒカルのレビュー・感想・評価

4.0
アメリカと公開時期がずれた作品はいつもロッテントマトでスコアを見てから観るかどうかを決定していて、エンタメ系しか楽しめないので観客スコアを重視しているが、批評家スコアも高いのはほぼ名作なので見逃さないように努めています。

例えば、2023アカデミーノミネート作で自分の1・2位はマーヴェリックとエブエブだが、マーヴェリックは批評96観客99でエブエブは批評94観客87で共に高い。英語なのでネタバレもくらいにくく、無駄銭を払いたく無い人にはオススメのゴミ回避策と思います。

本作はアカデミー賞 長編アニメーション部門のノミネート作であるが、受賞作のキノピオ(批評97観客90)と遜色のないスコア(批評95観客94)。近所では吹き替えしかやってないのでキッズの騒音が危惧されたが、ドラえもんがある程度キッズを吸収してくれる事を期待しつつ劇場ヘ。

本作の感想ですが、観てよかったです。昨日観たのがシャザム2でがっかり度強めでしたのでその反動の効果もありですが、秀作だと思います。

技術的には新しさは感じられませんでしたが、進撃の巨人ばりのカメラワークやスパイダーバースのような敢えてのコマ落とし、3DCG+手書きなど他作品の良いところを完全に使いこなし迫力のあるアクションシーンは一級品だったと思います。

ストーリーもテンポよく、またまたの家族愛、かなりマッドな敵、四つ巴の争い、緊張感ある設定とウ○○登場時の絶望感、ポンコツが活躍するいつもパターン などなど盛り込み過ぎを綺麗に纏め上げたシナリオには感心しました。

ただ、すずめのときも感じましたが毒が無い綺麗に纏まったお話しというのは意外と響かないもので、エブエブにおける画面がごちゃつき気味のカオス描写で観客を散々疲れさせてからの人類が誕生しなかったバースでのシーンやキー・ホイ・クァンのやさしい顔、かがみの孤城での自○襲撃シーン、義理の父親のシーンなどで観客も傷つけられながらのラスト種明かしほどの感動は起こりませんでした。

本作を擁護するならやはり吹き替え故のキッズ騒音問題があり、うるさいキッズが左3mにおり、かなりのノイズとなりましたので、刺さらなかったのはそのせいかも知れません。字幕版で鑑賞可能な都会にお住まいの方にオススメいたします。
(最近の親は自由を尊重するので叱ってくれませんね。吹き替えでもIMAXでやってくれれば、くそガキをほぼ回避できるのですが...)

津田健次郎さんはいつもの声で、いつも通りに格好良かったですがアントニオ・バンデラス、サルマ・ハエック、フローレンス・ピューらが声をあててるので、キッズ無しの字幕で観たかったです。残念。
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