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名探偵ポーリン、ニック・カーター
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『名探偵ポーリン、ニック・カーター』に投稿された感想・評価

Filmarksに表記されている邦題だと何だかよくわからないが、本作は日本映画史創生期の最重要作品「ジゴマ」(1911)の後編である。原題は「ジゴマ対ニック・カーター」※詳細は「ジゴマ」にて。

【あらすじ】
Z団の巣窟で自爆したジゴマは、実はひそかに脱出していた。そして宿敵ポーリン探偵に爆破テロを仕掛ける。瀕死となったポーランの元に親友のニック・カーター探偵が駆け付け遺志を継ぐ。カーターはジゴマの愛人オルガの居所を突きとめ改心と協力を求める。実はオルガは、小さいころに誘拐されたポーラン探偵の遺児だった。彼女の協力で新たな戦いが始まる。。。

オルガが味方に加わったことで物語に厚みが加わりさらに面白くなる。追走劇も海岸、ボート、馬、自動車と映像も膨らみを増す。カーターが忍び込んだ阿片窟では中毒症状による幻覚シーンも登場し怪しい日本芸妓の舞踊も披露される。物語がきっちりと完結するのも好ましい。

ジゴマの悪党面や幻覚シーンに、ラング監督の「ドクトル・マブゼ」(1922)を連想せずにはいられない。「マブゼ」の場合は洗脳を描きテーマが一段深くなるが、本作はエンターテイメントに振り切っているのでわかりやすく楽しめる。

前編と合わせてかなり好みの作品だった。おそらく本作の影響を受けた江戸川乱歩を通して、猟奇エンターテイメント嗜好が自分の中に植え付けられているのだろう。

このまま本作が忘れられてしまうのはあまりにももったいない。前後編合わせてのDVD化を強く希望したい。
【じわったシーン】
ワナ雑すぎてじわる
ワナにかかったジゴマールよく撮れててじわる
【かっこいいシーン】
ジゴ丸がハシゴで逃げ去るシーン
赤と青のコントラスト