まぬままおま

家政婦と少年のまぬままおまのレビュー・感想・評価

家政婦と少年(2020年製作の映画)
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ブリリア短編。製作国がタイの作品は久しぶり。

ポン・ジュノの『パラサイト』のように、上流階級の家族/家が舞台で構図の美しさが目に留まる。もちろん本作も生活のきらびやかさより、上流階級の息子と彼らに従事するメイドの関係に焦点を当てており、階級格差ゆえの共生の困難さを物語っている。

しかしその困難さをサスペンスとして事件化させるのではなく、記憶/物語として記録することに作家性があるのだろう。このような作風は現代のひとつの潮流のように思えるが、私は一昔前の作劇にもう一度立ち返るべきだと思ってしまう。