tacky

犬も食わねどチャーリーは笑うのtackyのレビュー・感想・評価

3.8
岸井ゆきのの妻が素晴らしい。

靴下の件といい、スピーチの緊張のほぐし方といい、とても可愛い人だと思う。
辛い事があっても耐え抜く精神力と、仕事においても、前向きに進む姿勢も良い。
しかも、旦那のウンチクを黙って「へぇ〜」と聞いてくれる。理想的な妻じぁないか。
「デスノート」の事も、ストレートに言い合いして、関係をこじらすよりも良いとの判断なのだろう。
本音の言い合いは確かに大切な事だが、事によっては、気を使って相手に伝えない事も、長い夫婦関係には必要な事だと思う。

香取慎吾の演じる夫は、典型的な見た目優良夫ではあるが、実は共感してしまった。
誰にでも優しく、雑学自慢のウンチクオッさんで、自分にも当てはまるところがあり、とても歯痒かったが、最後に夫婦にとって大切な事を気付いた事で、救われたと思う。

お互いの現実を考えて、目を逸らさない。
お互いの仕事に口出ししない。
夫婦で共有する事は積極的に行動する。
難局には逃げずに、共に解決していく。
夫婦間の大切な事は口外しない。

などなど、少し考えれば誰でも気付くことを、プライドや感情でないがしろにしてしまう。まずここをわからないといけないと、考えさせられる作品だった。
また、どうすれば本当に相手を思いやれるのか?常に意識していなければ、と思うキッカケを作ってくれたと思う。

コメディとしては爆笑とはいかないし、後半には演出もグダグダになってしまったが、取ってつけたようなラストシーンであっても、何故かスッキリしたので、高得点をつけた。いい意味で。
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