tackyさんの映画レビュー・感想・評価

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ミスター・ベースボール(1992年製作の映画)

3.0

「インディー・ジョーンズ」になれなかったトム・セレックと、日本語英語をやたら発揮していた当時の健さんと、いつの間にか消えていった高梨亜矢の、ベースボールコメディ。

この当時はメジャーリーガーが、日本
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かがみの孤城(2022年製作の映画)

4.0

いじめ、ひきこもり、虐待などの問題を捉えているのだが、出てくる七人が共感できる人達で、自分の境遇と共鳴するのか、共に支え合おうという姿勢が感じられたので、重くはならなかった。

ベースのグリム童話は恐
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ガール・オン・ザ・トレイン(2016年製作の映画)

2.4

こういうサスペンスは、主人公に感情移入できるかが大きく左右するが、全く出来なかった。

最初、仕事の行き帰りの電車の中から、犯罪を偶然目撃してしまう主人公だと思っていたが、アル中でとっくに会社を解雇さ
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劇場版 きのう何食べた?(2021年製作の映画)

3.5

「嫌われたく無いから、怒れない。」
すごくよくわかる。私も一時期そうだった。いや、今もそうかも。

ドラマ版からのファンなので、高評価といきたいのだが、ドラマ版のラスト2回に比べたら、想像できる着地点
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張込み(1958年製作の映画)

4.5

輝かしい野村芳太郎×橋本忍の松本清張作品の出発点の作品。

いまだに多くの映画研究の題材とされている、オープニングの映像が素晴らしい。
横浜から飛び乗った刑事二人が、真夏の混雑する車両の中、佐賀まで一
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1秒先の彼女(2020年製作の映画)

3.5

こちらを先に観ていたら、きっともっと良い点数をつけていたと思う。それ程素晴らしい脚本だったと思う。
しかし、後でオリジナルを観ると、本家も素晴らしいのだけれど、先に観た日本版のクドカンの脚本の素晴らし
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1秒先の彼(2023年製作の映画)

4.5

視点を変えれば、ただのストーカー物語なのだが、今時こんな純粋な恋愛を取り上げる事が良かったと思う。
主役の二人がとても対照的なのに、ピッタリ合うのが不思議だった。

前半の伏線貼りまくり、後半突然一気
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流れる(1956年製作の映画)

4.5

男に弄ばれ、世間に翻弄され、まるで川の流れの様に、逆らえずに衰退していく老舗の花街の芸者置屋を、当時の市井の風情を入れながら、家政婦が来て去る(おそらく)までの短い真夏の期間だけ描いた、珠玉の作品であ>>続きを読む

八つ墓村(1996年製作の映画)

3.0

横溝正史は、土着の祟りや呪いなどの、ドロドロした見立て殺人の先駆者と見られがちだが、意外に財産相続や金がらみのドライな犯罪が多く、それらは、それをカモフラージュする為の犯人の手立てに過ぎない。

そし
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三十九夜(1935年製作の映画)

4.5

ヒッチ先生のイギリス時代の最高傑作だと思う。
わずか90分の中に、ヒッチのお約束の要素がギッシリ詰まっている。素晴らしい。
そして、無駄なシーンが、ひとつも無い。

偶然巻き込まれた主人公。
殺人を疑
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羊たちの沈黙(1990年製作の映画)

5.0

やはり素晴らしい。ジョナサン・デミの作品の中でも別格である。

オスカーにおける、サスペンス、ホラー、ウエスタンの差別は酷いもので、ホラー、サイコサスペンス作品に、光を当てた映画史上の偉業は、幾重にも
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市子(2023年製作の映画)

3.0

全ての元凶は、日本の法律にある。
この国の法律は、女性に過酷な現実を強いるものとしか思えない。

それでも、「市子」に同情はしない。ただ長谷川と一緒で何もできないし、しようとしても無駄であろう。
映画
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ドグラ・マグラ(2010年製作の映画)

2.6

夢野久作の原作は、さすがに日本三代奇書に選ばれただけあって、あの江戸川乱歩でさえ、「訳の分からない小説」と言わしめた超難解小説なのだが、あえて舞台を近未来の宇宙空間にしたこの作品は、それなりにわかりや>>続きを読む

ある男(2022年製作の映画)

4.7

凄く重く苦しいが、観終わって、明日に向かって頑張ろうと思える作品だった。

窪田正孝、安藤サクラ、妻夫木聡と素晴らしい配役だし、脇の小藪千豊、清野菜名。ちょい役のでんでん、柄本明にいたるまで、適材適所
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TAR/ター(2022年製作の映画)

3.5

もう、ケイト、ブランシェットに尽きるでしょう。

作品自体は、それほど素晴らしいとは思わ無いが、時折観せるワンショットなど、中々凝ったカメラワークのできる監督ではある。

物語としては、音楽院の授業で
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テオレマ 4Kスキャン版(1968年製作の映画)

4.5

パゾリーニといえば、最初に観たのが「ソドムの市」なのと、あの強烈な死に方とをふまえて、避けてきた感はある。

しかしこの作品を観て、やはり天才的な映像作品を作る人なんだと思った。

ここかしこに、左翼
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うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年製作の映画)

4.0

押井守は天才だと思うが、「劇場版パトレイバー2」のような、人気アニメに便乗して、独自の戦争論を押しつけてくるような作品もあり、少し距離を置いていた。

という事で、この名作は初見です。

やはり、素晴
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幸福(しあわせ)(1964年製作の映画)

3.7

「幸福」と書いて、「しあわせ」と読む。
この男の「しあわせ」は、妻にとっても「しあわせ」では無かった。

暖かい日差し溢れる森の日曜日、今日は「父の日」である。夫婦愛し合い、可愛い男の子と女の子の四人
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氷の接吻(1999年製作の映画)

2.8

まず最初に思った事、
国家諜報部員にストーカーされたら、えらい目に遭うのだなと。(そりゃそうだ。)

冒頭のパッと振り向く瞬間のインパクト。
いきなりの殺人の衝撃。
アシュレイ・ジャドを魅力的に魅せる
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ピンクの豹(1963年製作の映画)

3.2

大ヒットした怪盗コメディだけれど、今日的にはかなりツラい内容である。

ピーター・セラーズの出世作であるが、そのドタバタ感は、あまりに古すぎて、とても笑えない。
それでもまだマシで、当時の「5代スター
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ブルーベルベット(1986年製作の映画)

3.8

カルトの帝王?デビッド・リンチ。「イレイザーヘッド」て長編デビュー、「エレファントマン」で評価され、この作品のヒットにより、その地位を確立した。

「異形」愛好家のリンチの不気味さが目立った前二作から
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マッチ工場の少女(1990年製作の映画)

4.5

カウリスマキ監督の労働三部作の第三作にして、集大成の作品。

肝心な所を観せないで、観客の頭の中に委ねる。
短いシークエンスの積み重ねによる、無駄なシーンの排除。
台詞が極端に少なく、映像で観せる。
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切り裂き魔ゴーレム(2016年製作の映画)

3.8

んー、そうきたか。薄々は感じてたけど。

おぞましい連続猟奇殺人事件を、閑職に追いやられていて、ゲイの噂のある警部補が追う物語である。

全体にハマー・プロのゴシックホラーの色彩が漂い、中々味わい深い
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真夜中の虹(1988年製作の映画)

4.0

カウリスマキ監督の労働三部作の二作目。

珍しく物語が普通の恋愛などじゃなく、劇的な展開になる。

相変わらず、肝心な所を写さずに想像を掻き立て、いつもの細かいシークエンスの積み重ねと、出来るだけ台詞
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パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

4.0

カウリスマキ監督の労働三部作の一作目。
ゴミ収集車の運転手である主人公と、スーパーレジ係のヒロインとの恋愛を描いた作品。

主人公は、日々の単調な生活から抜け出す為に、英会話教室に通ったり、職場の同僚
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お茶漬の味(1952年製作の映画)

4.5

犬も食わない夫婦喧嘩の話なんだけど、
お嬢様育ちのツンツン妻と、田舎者の天然オットリ夫なので、どこまで行っても平行線なのは致し方ない。

序盤にこの夫婦が寝室別室である事を、さりげなく観せる演出。しか
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サイコ・ゴアマン(2020年製作の映画)

1.0

コリャダメだ。全編とても汚らしい。

コメディとしても笑えない。
ホラーとしても汚いだけ。
SFとしては、アホくさい。
主人公、クソ生意気なクズ女の子。
ゴアマン、頭悪く弱い小悪魔。
夫婦の物語や、登
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街のあかり(2006年製作の映画)

3.0

カウリスマキ監督の敗者三部作の三作目。
ここにきて、「アレ?」となってしまった。
前二作は、突然のリストラ。不慮の事故。と自分ではどうしようも無い原因が発端で、
そこから次々と災難に見舞われる主人公が
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浮き雲(1996年製作の映画)

4.5

カウリスマキ監督の敗者三部作の一作目は、一人どころか、夫婦で不幸のオンパレードに見舞われる。

私も経験あるが、突然の閉店や解雇。
その後のハローワークで不親切な職員のもとでの職探し、面接ハラスメント
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レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)

4.1

タランティーノの長編デビュー作は、なかなか一筋縄ではいかない作品である。

いきなりの、おっさん連中のくだらない下世話話(このシーンでマドンナに激怒されたらしい。)から、オープニングタイトルのスローモ
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ブラックナイトパレード(2022年製作の映画)

3.2

最近の福田監督はどうしたんだろう?

伏線貼りまくって回収できず、オチもショボいし、主人公を含めて出てくるキャラの個性が、福田監督にしては薄っぺらい。
強いてあげるなら、カイザーが個性的だが、クズ野郎
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セックスで繋がる3つの世界/ZOOM ズーム(2015年製作の映画)

2.6

んー。発想は素晴らしいのだけど、仏作って魂入れずかな。

エマの書いたアニメの世界の理想の男性、エドワード。
エドワードが監督した映画の世界の主人公、ミッシェル。
ミッシェルの小説の中のヒロイン、エマ
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

4.0

オリジナルの「マリオブラザーズ」、「スーパーマリオブラザーズ」、「マリオカート」、「マリオワールド」のキャラや世界を忠実に再現できているのは、任天堂が製作に携わっているのて当然だが、とても素晴らしい。>>続きを読む

俺ら東京さ行ぐだ(1985年製作の映画)

2.8

青森の五所川原から、東京へ出てきてカメラマン助手をしている息子を連れ戻しに、両親が東京に2泊して帰って行くだけの話。

それ以上でも以下でもなく、特に何も起こらず、ラスト息子は彼女と未来に希望を持ち東
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新・喜びも悲しみも幾歳月(1986年製作の映画)

4.0

植木等が素晴らしい。主役は完全にこのおじいちゃんである。
非常に厚かましいが、人なつっこく懐に飛び込む魅力的な人で、この穏やかな物語の軸になっている。
そして、元看護師の大原麗子の妻が、口うるさいのだ
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過去のない男(2002年製作の映画)

4.5

さすがに、カンヌがまだ、まともだった頃のグランプリ作品である。

カウリスマキ監督の敗者三部作の二作目だが、「記憶」をなくして、すべてを失った「敗者」の男がとにかく前だけを向いて、生きていく姿に感銘を
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