柏エシディシ

リバー、流れないでよの柏エシディシのレビュー・感想・評価

リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)
3.0
評判は聞き及んでいた劇団ヨーロッパ企画の劇場映画作品、第2弾。
使い古された"タイムループ"という設定ながら、その枠組を2分間きっかりのワンカット長回しで見せることによって、不思議な臨場感と可笑しさを感じさせて、完全に新しいフィーリングを覚える。
これは…面白い!
天候という"不確定要素"すら巧みにドラマやキャラクターの心情にシンクロさせるなどの細部へのこだわりと、脱力的な終盤な展開に顕著な不思議な風通しの良さ。
演劇的でありつつ、映画というメディアならではの仕掛けに落とし込んだアイデアと仕上がりは見事でしょう。
そして、本作を特別にしているのは何といっても、京都貴船というロケーション。その何とも特別なことが起きそうな霊験を感じさせる場所設定と、狭い空間の中でも移動や活劇という映画的なドラマを表現する完璧なセッティング。
観た人誰しもがあそこに行きたくなってしまう筈。てか、行きたい!
(未来の貴船はそこそこ賑わっている、という台詞が何とも予言的!)
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