柏エシディシ

コロニアの子供たちの柏エシディシのレビュー・感想・評価

コロニアの子供たち(2021年製作の映画)
3.0
遅まきながら昨年公開の「オオカミの家」で知り、知れば知るほどほど調べれば調べるほど、ゾッとするチリ、コロニアディグニダのこと。
皮肉にも映画的にはカッコウの題材。
いくつか作品があって興味が引かれて、今回はWOWOWでやっていたこれを鑑賞。
いっや、おそろしい。
本当に?フィクションじゃなくて?って思うけれど、国家ぐるみのズブズブの関係といい、本当におそろしくてエグいことは公然と堂々と行われるものだ。
皮肉にも歴史が証明している。
本作に関しては、整然とした撮影アプローチがアート映画の様な趣きがあり、異化効果よりも、事態のおぞましさを中和してしまう効果の方が強い気がして勿体ない様に思った。
ランティモスやハネケだと諧謔的な面白さが出て興味深いのだけれど、本作に関しては実在の事件なだけに良い手法ではないない様に思った。
しかし実際のとこ、勤労、整然、清廉と聞こえと見映えの良い文句をヴェールにして悪虐が行われるという事を作り手は出来る限り正確に伝えたかったのだろう。
この手の海外のおぞましい事実を基にした映画やドキュメンタリーに触れると、自分は自分の住んでいる国や社会に置き換えて考える様にするのだけれど…はい。似た様な事って、他人事じゃないかも。
柏エシディシ

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