真一

リバー、流れないでよの真一のレビュー・感想・評価

リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)
4.2
 面白い。ワクワクする。よくつくりこまれており、とにかくシーンに無駄がない。誰もが古都のファンタジーを疑似体験る楽しさ満点のタイムループ🔃ものです。

 舞台は京都・貴船⛩️の老舗旅館「ふじや」。主人公ミコト(藤谷理子)を含む登場人物全員が、2分過ぎると「元の位置」に戻ってしまうタイムループに巻き込まれます。このループ🔃は、当事者の記憶が消えないところに特徴があります。第一回目のループから、ループ中に体験したことは全て覚えているのです。

 その一方、起きた行為は全てリセットされます。たとえば、誰かがループ中に死んだとしましょう。その人は2分後に「元の位置」にリセット登場するわけです。

 「元の位置」が雑炊🍚を食べている最中のお客さんは、何をどうしようとも雑炊の前に戻されるし、入浴中♨️の編集者は何度浴衣を着て飛び出してきても泡だらけの全裸に戻されてしまいます。見ず知らずの者同士が喧嘩したり、力をあわせたり。あの手この手で未曾有の困難に立ち向かいますが、やっぱり「元の位置」に戻されてしまうのが、おかしいやら、切ないやら。

 オチは強烈な一発芸なので、伏せておきます。メチャクチャ面白かった😄最後は「みんないい人だったね」と思えるハッピーエンド。三谷幸喜の作品に通じるものがあるような気がしました。

 疲れきった時。ストレスに押し潰されそうな時。人間不信に陥った時。そんな時、見る人に優しく寄り添い、笑顔にしてくれるのではないかと思います。なかなかの名作です。どうぞお試しあれ😊
真一

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