【120秒の胸キュンループ】
昨年、結成25周年を迎えた劇団ヨーロッパ企画。
そのお家芸とも言える”設定全振りコメディ”の魅力溢れる本作は、劇団製作オリジナル長編映画第一弾『ドロステのはてで僕ら』に続く待望の第二弾である。
はっきり言おう。
控えめに言ってサイコー！☆*:.｡. o(≧▽≦)o .｡.:*☆
以下があらすじ。
京都・貴船町の老舗旅館「ふじや」の仲居 ミコトは、別館裏の貴船川のほとりで物思いにふけっていたところを女将に呼ばれて仕事に戻るのだが、2 分後、知らぬ間に何故かまた元いた川のほとりに戻っていた。
ミコトだけではなく、番頭や他の仲居、料理人、宿泊客たちもみな異変を感じ始める。
熱してもまた冷たくなる熱燗。
食べても食べてもなくならない〆の雑炊。
永遠に出られない風呂場。
どうやら、貴船町の時間が「ループ」しているらしい。
しかもちょうど 2 分間。
2 分経つと時間が巻き戻り、全員元にいた初期位置に戻されてしまう。
しかし、何故かそれぞれの記憶や感情はループ後も残ったままで、連続しているのだ。
ループから抜け出したい人、とどまりたい人、それぞれの感情は入り乱れ、果ては喧嘩や猟銃発砲、自害まで発生。
それに合わせるように雪が降ったりやんだり、貴船の世界線が少しずつバグを起こしてゆく。
何とか力を合わせて原因究明に臨む者たちもいる中、ミコトは一人「このループの原因は私だ」と直感するのだった。
果たして、彼らはこの120秒間のタイムループから抜け出せるのか？
兎にも角にも、ミコト役を演じた主演の藤谷理子さんが可愛い過ぎてヤバい。
私は自他共に認める熟女マニアだが、ここ数十年で初めて20代の娘に恋をしてしまった(///з///)ｵｼﾃﾓﾖｶﾃﾞｽｶ
以前レビューした『マスマティックな夕暮れ』に彼女が出演してから6年。
愛らしい声や口調はそのままに、見違えるほど美しく大人っぽくなった彼女。
ミコトと料理人タクとの120秒胸キュン展開に、オッサンは完落ちである(/ω＼)ｲﾔｰﾝ
それだけでない。
彼女の佇まいは、舞台となっている京都貴船町の美しいロケーションや旅館の雰囲気に見事に調和していて、私の中では、名だたる実力派俳優陣の中でも、彼女一人だけ頭抜けて無双状態に見えてしまった。
この作品への溶け込み具合…いったい。
それもそのはず、物語の舞台となった天保年間創業の老舗旅館「貴船ふじや」は、何となんと彼女(藤谷理子さん)の実家だったのだΣ(･ω･ﾉ)ﾉ !ﾘｺﾁｬﾝﾜｶｵｶﾐ?
そう、この作品は、彼女が所属するヨーロッパ企画でしか成しえなかった、演者実家ロケ敢行作品なのである。
ありがとう！ヨーロッパ企画！！！
さて、物語の鍵となる120秒ループについても、少し掘り下げてみたい。
ネタバレしたくないので、詳しくは伏せるが、本作の貴船町内120秒ループ現象は、言ってしまえば、ある条件が重なれば、貴船町でなくとも世界中のどこでも起こりうる現象だと言うことがラストで分かる。
何なら、我々の身の回りにも起こるかもしれない。
想像力…いや妄想力が豊かすぎる私はついつい思い描いてしまうのだ。
そう、私なら…駅前のマッサージ店『りらくる』で全身もみほぐしコースやってもらってる最中に、2分間の♾️ループが来てくれたら…至福の喜びである(✩ω✩)♡ｳﾎ
逆に最悪なシチュエーションは何か？
…あぁ、現実で我が身に降りかかる悪い出来事のループなんざ、怖すぎて絶対に想像したくないので、敢えて映画作品の中で妄想してみよう。
私の脳裏に真っ先に映し出された最悪なビジョンは…
『ムカデ人間』のリンジー(連結真ん中の娘)視点で、開始55分15秒、最前のカツローがこのセリフを告げる直前からの2分間♾ループである。
カツロー「あ…あぁ…ウ〇コ…ウ〇コ、ごめん…ごめんよぉ〜」(ブリブリブリブリ…)
リンジー「ゔぉぅぉ〇✕※△□ーー(ꈨຶꎁꈨຶ)」
…2分後…
カツロー「あ…あぁ…ウ〇コ…ウ〇コ、ごめん…ごめんよぉ〜」(ブリブリブリブリ…)
リンジー「ゔぉぅぉ〇✕※△□ーー(ꈨຶꎁꈨຶ)」
…2分後…
カツロー「あ…あぁ…ウ〇コ…ウ〇コ、ごめん…ごめんよぉ〜」(ブリブリブリブリ…)
リンジー「ゔぉぅぉ〇✕※△□ーー(ꈨຶꎁꈨຶ)」
…
…想像しただけで地獄絵図。
「もうやめて！リンジーのLIFEはゼロよ！」
✤✤✤
京都の美しい景色も堪能出来る本作『リバー、流れないでよ』。
どうやら、舞台となった貴船町老舗旅館「ふじや」に聖地巡礼で足を運ぶ方もいるようである。
気になる方はJovianさんの以下聖地巡礼ブログを参考に、足を運んでみては？
https://jovian-cinephile1002.hatenablog.com/entry/2023/10/22/100938
「2分後の未来を映すテレビ」からの「町内2分間エンドレスループ」ときて、はてさてお次は何が来るやら。
ヨーロッパ企画の次回作が滅茶苦茶楽しみである。
本作『リバー、流れないでよ』を未見の方は、是非御鑑賞頂きたい。
現在、U-NEXT、RakutenTV、TELASA、DMM TV、Lemino等でレンタル配信中。
