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ショーイング・アップのAPOMのレビュー・感想・評価

ショーイング・アップ(2022年製作の映画)
4.0
12/22より「A24知られざる映画たち」の1本として公開されるケリー・ライカート監督作「ショーイング・アップ」を試写会で。

陶芸彫刻アーティストのリジー(M.ウィリアムズ)の日常を切り取った感じの作品で、かなり好きな空気感だった。
ちょっとジャームッシュ監督のパターソンの空気感を思い出した。

個展に向けて作業中のリジー。日々の雑事や美術学校の講師の仕事、パンチの効いた家族達、アーティスト仲間の大家や、猫や鳩etc. 色んな事に気持ちや時間が取られる中で、机に向かって粘土を捏ねて作品を作りあげていくシーンが良かった。

大家のジョーは大型インスタレーション作家(演ホン・チャウ、ホエールに出てた人だ!)で、
サイズ感も小さめな陶器の彫刻作品を作る繊細なリジーと性格も作品も対照的で面白い。
アーティスト仲間の作品に触れたり、成功を目の当たりにすると色々思うところがあるだろうな、とそこら辺の機微も面白かった。

Mウィリアムズがナチュラルで上手すぎて、普段のMウィリアムズ感が全く無くて流石だった。

最後にオンラインで監督のトークショーがあり、特に興味深かった話を以下メモに

・実際の陶芸アーティスト作品から、キャラクターの人物像を作り上げていった。

・Mウィリアムズはしばらくアーティストの元で生活や練習をして役に入る準備をした

・ライカート監督と共同執筆の脚本家ジョン・レイモンドの住んでいる近くのアーティスト達の日常や雰囲気がインスピレーションに

「ショーイング・アップ」の一つ前に制作したライカート監督第4作日「ファースト・カウ」も同日日本公開なので絶対劇場に見に行こうと思う。
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