主人公は、そう若くもない崖っぷち女性芸術家。描かれるのは、個展のための作品を製作する彼女の日々の出来事。
これまた眠い、「FIRST COW」以上に眠い、ケリー・ライカート 作品。
いつまで経っても修理されない借家の壊れた湯沸器、ゲガをした鳩の介抱、自身の作品に生じてしまった瑕疵、神経症を患う厄介者の兄。そういった些事に少しずつ翻弄れていく彼女の暮らしぶりを、淡々と、淡々と、淡々と描く。
良く出来てはいるが、とりたてて面白くはない。きっと、この監督の作品はどれもこんな味わいなんだろう。
途中で何回も意識を失いなながら、それでも物語の把握には何ら問題が生じない、そんな稀有な観賞体験であった。