ロアー

CUBEのロアーのレビュー・感想・評価

CUBE(1997年製作の映画)
4.2
日本版「CUBE」を観る前のおさらいとして、随分久しぶりに観た。

あまりに昔過ぎて内容をきれいさっぱり忘れていたということもあるけど、今観ても新鮮でとっても面白い映画だった。そもそも、もう24年も前の映画だったのか!古い作品なので多少、映像にザラついた感じがあったものの、構造美のすばらしさにもすっかり目を奪われた。子どもの頃観た時には分からなかったこの画面や構図の美しさ———罠ですら芸術的。
人の死に方も残忍でありながら美しくて、おっとりとした良い人ばっかりなイメージの国・カナダをちょっと見直した(どんな偏見?)

「何故自分たちが?」という肝心な謎は一切明かされないけど、それが社会の構造や"生きる"ということに対する哲学的な問いにも通じていて、単なるデスゲームもので終わらず中々奥深かった。前半と後半で印象を覆してくる人間模様も面白かったし、やっぱりこれ、シンプルでありながらもとんでもない怪物映画だ。

とりあえず、特別な職業や秀でた能力を持っていないとキューブから脱出することは不可能だけど、同時に特別な職業や秀でた能力がなければそもそもキューブに入れられることもない、という真理に至りました。凡人が一番です。

果たして、この相当上手くやらないと酷い転び方をして大怪我になりそうな映画をどう日本版として再構築したのか...実はまったく期待してないけど、興味はあるので観に行ってくる。
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