見たで。
愛する人と引き離されたロバの旅路。イーオーの孤独と人間社会のエゴが共鳴する圧倒的な映像センス、美しくも残酷な世界の落差に人生の意義を問う映画の力が光る。暖かさ、不条理さ、切なさ、様々な感情が突き動かされ涙が止まらぬ今年一番のラストカットと余韻だった。大好き。
予告編と前評判でこれは自分好みの映画かもと観賞を楽しみにしていた1本。結果として予想は的中し今年の私的ベスト10には絶対いれたいと思う映画だった。動物視点から人間の身勝手さを全面に出して描いてる様で根底にあるのは生の無情さとそれ故の人生の尊さ。人も動物も自分が生まれる境遇や命の最後の瞬間を選ぶ事はできない。表情が全く変わらないイーオーの瞳に写る現実世界の真実に胸を抉られるがそれでもやっぱり人生って愛おしいって思えてしまうのはロバのイーオー視点で描いた物語だからだろうか。
雄大であり画面全体から静かながらも力強いエネルギーを浴び続ける年１の映像体験だった。これはもっと回数を重ねて味わいたいなあ。
