現れる小林

別れる決心の現れる小林のネタバレレビュー・内容・結末

別れる決心(2022年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

ギリギリ映画館で見れた。スクリーンで見るのは今年3本目。以前からみたいと思っていたがやっと叶った。

ミステリー要素がメインだと勝手に思い込んでしまっていたため、ロマンスの繊細な表現などにそこまで注目できなかった感が若干ある。それがメインだったのに。そこはもったいなかった。

ただそれは抜きにしても画の構成がものすごく作り込まれていてかなり引き込まれた。シーンの切り替えのマッチカットや、違うキャラクターの似た行動を同じ構図で撮影して繋げるというようなカット割りは見事で、この監督の技量がこれでもかというほど活かされている。

ソレは独占欲が高じて、自分を未解決事件の重要関係者という立場に留めることでヘジュンの関心を自分に集中させようとあれこれ行動した という話だというのはしばらく考えた後に分かってくるが、あまり共感しやすいものではない複雑な心情なので、彼女の行動の動機を理解するのがかなり遅れてしまった。その意味では若干置いてきぼりを食らった感じがする。

期待していたのとはいい意味でも悪い意味でも少し方向性が違い、とても静かで美しい映画だった。
総合的にはかなりの良作だと思う。