TOTO

別れる決心のTOTOのレビュー・感想・評価

別れる決心(2022年製作の映画)
2.7
「パク・チャヌクと別れる決心ーー」

最初は「JSA」でした。
まだレンタルDVDの時代。韓国映画ってこんなに面白いのかと衝撃でした。

その後はいわゆる復讐3部作。
中でも日本のマイナーなコミックを脚色した「オールドボーイ」に拍手喝采でした。
「親切なクムジャさん」も見応えあった。
この頃はとにかく分かりやすくて作品にカタルシスがあった。

でも「渇き」あたりからおかしくなった。
より芸術嗜好というか、画にも脚本にも妙なこだわりが感じられるようになった。 「イノセントガーデン」?
「お嬢さん」?
「スノーピアサー」だって、そもそもの設定に無理はあるものの、やりようによってはもっと単純明快なミステリーアクションにできたと思うけど、後半まとまりなくて列車脱線するわと思った。

そして今回の「別れる決心」です。
セットの天井や部屋の絵画、鏡越しの向こうの画へのこだわりなど随所にパク・チャヌクのこだわりが透けて見えて、エンターテイメントというより芸術作品のように感じられた。
でも自分のような下品な映画ファンは物足りなさしか感じられず、これを本当に映画化したかったの? と単純に思ってしまう。
もしパク・チャヌクがこれからもこんな芸術もどきを撮り続けるなら、我々は決心しなくてはならない。
パク・チャヌクとの別れを。
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