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ヨーロッパ新世紀の爽のレビュー・感想・評価

ヨーロッパ新世紀(2022年製作の映画)
3.2
うーん、あんまりノレなかった。。
主題が多くて、どれにフォーカスを絞って読み解けばいいか観ながら混乱してしまった。
ラストで愛人が謝ってたのは何故?
結局スリランカ人を追い出すのに与した的な?罪悪感?それとももっと意味深なやつ?
主人公が疎外者・村人っていう両義的な立場だったのが独特で、身を持ってジプシー差別を体験した筈なのに議論には参加しなかったり。

確かに村人たちの議論シーンは見応えあった(パナヒのNo bearsにも似たようなのあったなと思いつつ)。
でもまぁ言われんでも分かるというか、危機迫るルーマニアの現状こそ伝わってきたけどそれ以上に刺さるものは無かった。
言語的なやり取りを補うのが熊っていうモチーフ、それに対峙する主人公と息子なのは納得やけど今ひとつ刺さらず。

不買運動を避ける為に工場が妥協するか、世の流れだと村人たちが妥協するか...ああいう正義の議論は、法律で解決できないならお互いに折れる(或いは権力者が当事者たちに折れさせる)しかない。

異人種排斥の意識そのものを掘り下げるより、もう少し進歩的な話を個人的には観たかった。
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