このレビューはネタバレを含みます
揺れる心と揺るぎない心
せめて示し合わせることはできなかったのか
レオが自分の中に渦巻くものを飼い慣らすのにどれほどの時間が必要かはわからないが、たとえあの華奢な両腕が逞しくなる時が来ても、それを握り潰すことは到底できないと思う
「かけがえのない」という言葉を少年は知っていたか
あの日永遠に失くしたものだと、いつか心の奥が叫ぶだろうに
後半はレミの両親の方へと感情が動いてしまい、やや安易な再生ではないかという気持ちになってしまった
“付き合ってるの?”と興味本位で訊ねた女子も“オトコオンナ”とからかった男子も、それが引き金のひとつであることに無自覚なまま生きて行く
考えないことの罪がこの世には山ほど