あまのうずめ

私の大嫌いな弟へ ブラザー&シスターのあまのうずめのレビュー・感想・評価

2.4
ルイの息子が亡くなり旧友で義兄のボルクマンが訪ねて来るが、ルイは劣化の如く怒り出す。ドアの外に姉アリスと母がいるのを見て3人とも追い返した。5年後、両親はトラック事故に巻き込まれる。この日アリスは舞台初日を迎えていて、ルイが出版した本の中で自分を侮辱したことに苛立ちを覚えていた。


▶︎『クリスマス・ストーリー』『あの頃エッフェル塔の下で』のアルノー・デプレシャン監督の最新作。アリスをマリオン・コディヤール、ルイをメルヴィル・プポーが演じている。

互いに相手を許せないとの感情を持つ姉弟のストーリーで、プロット先行で走り切った感がする。脚本が極めて散文的なのが、感情的な二人をよく表していた。

両親が危篤になっても葬儀に於ても互いを避けるのは俄かに理解は出来ないが、分かり合おうとする他人と違い、肉親には良くも悪くも甘えや我が入り易いと、このヴェイヤール一家を冷めた眼で眺めていた。

数字の矛盾点もあり雑で中途半端な印象は拭えず、唐突なラストに面喰らったが、それもこの姉弟だからで済ませてしまうのは惜しいと思った。

WOWOWの『フランス映画の祭典』にて鑑賞。