姉弟と偽ってベルギーに暮らすアフリカ出身の少女と少年の過酷な運命を描いた作品。
本当の姉弟、もしくはそれ以上にトリとロキタは互いを必要とし、2人で幸せに暮らすことを夢見ている。
そんな彼らが生活とビザ取得のためにドラッグの運び屋をしているという不条理に胸が痛む。
移民の多い社会であるベルギー、ひいては迫害と分断の進む現代社会の残酷な現実を鋭く描く。
削ぎ落とされた作劇、BGMなしというダルデンヌ兄弟らしい演出が発揮されている。
その上、今までのダルデンヌ兄弟作品に比べてサスペンスフルな展開になっており、そして強い怒りを感じる作品になっている。
主演2人の演技は素晴らしい。
2人の幸せを祈りながら、物語に惹き込まれる。