キョン太

トリとロキタのキョン太のレビュー・感想・評価

トリとロキタ(2022年製作の映画)
3.8
観るんじゃなかったと思うほどしんどい話。
ものすごく長く感じた。倍くらいに思える重たさだ。

故郷のアフリカから逃れてヨーロッパへ。
お金が稼げる、仕事が得られる、安全に暮らせると希望を持っていただろうに、ビザは降りない、まともな仕事に就けない。
頼りになるのはボートで出会った同じ境遇の子供だけ。
トリとロキタは本当の姉弟じゃないけど、互いを支えに暮らしている、けれど……。

もがけばもがくほどに深い穴に飲み込まれて、世界はなんと弱者に容赦がないんだろうな。
生まれと年齢から守られているトリに比べ、年齢が高く、女の子であるロキタに降りかかる不幸がマジで辛い。
新天地へ連れてきてくれた「業者」も、故郷で暮らす親も、若く金を稼げるとされたロキタから奪う気しかないんだよね……。

ラストはもう言葉が出ない。
人間も世界も、平等なんてないと知らなきゃいけない。
キョン太

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