観るんじゃなかったと思うほどしんどい話。
ものすごく長く感じた。倍くらいに思える重たさだ。
故郷のアフリカから逃れてヨーロッパへ。
お金が稼げる、仕事が得られる、安全に暮らせると希望を持っていただろうに、ビザは降りない、まともな仕事に就けない。
頼りになるのはボートで出会った同じ境遇の子供だけ。
トリとロキタは本当の姉弟じゃないけど、互いを支えに暮らしている、けれど……。
もがけばもがくほどに深い穴に飲み込まれて、世界はなんと弱者に容赦がないんだろうな。
生まれと年齢から守られているトリに比べ、年齢が高く、女の子であるロキタに降りかかる不幸がマジで辛い。
新天地へ連れてきてくれた「業者」も、故郷で暮らす親も、若く金を稼げるとされたロキタから奪う気しかないんだよね……。
ラストはもう言葉が出ない。
人間も世界も、平等なんてないと知らなきゃいけない。