きょう

クライムズ・オブ・ザ・フューチャーのきょうのレビュー・感想・評価

3.5
BODY IS REALITY.

痛みの無くなった近未来、臓器が生成される "加速進化症候群"、退廃的な世界でプラスチックを食べる子供、有機的なベッドや嚥下をサポートする朝食用の椅子、内なる美コンテスト…。

とにかく奇妙な世界観を堪能した。
これを体感するための映画だと思った。

臓器摘出パフォーマンスもアートで官能的で、クローネンバーグ監督は本当に肉体が好きなんだなぁ!と実感する。

スローテンポで108分が長く感じるほどだが、主人公ソールが「人類の進化を認めない保守派(政府)」「自身で肉体に変容をもたらす革新派」双方と関る事で自身の中に生まれる価値観と改めて向き合い、どちらに転ぶか分からない選択を下す様は物静かなラストカットも相まって印象的だった。

あとイヤーマンの扱いが不遇すぎて笑えてしまう。
きょう

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