きょう

ケープ・フィアーのきょうのレビュー・感想・評価

ケープ・フィアー(1991年製作の映画)
3.0
自身の過ちを認めない傲慢なクズ vs 教養を身につけた逆恨みをするクズ

14年の刑期を終えた男が担当弁護士とその妻子を脅かしていく物語。
犯罪にならないギリギリのラインを攻めてくるのが大変厭らしい。

弁護士であるはずの主人公もあまりできた性格ではなく、段々と感情的・野性的な行動を取るようになっていき、字も書けなかったはずの男の方が今では法と哲学を語る始末。
14年前から2人の立場が逆転するように、とことん対比して描かれるのが面白かった。

テンポ感の良いスリラーだが、終盤はアトラクション的になり雰囲気が一変してしまうのは少し困惑した。

冒頭から繋がる「 "ケープ・フィアー" への恐ろしさの意味合いが変わる」という娘のモノローグで終わる仕掛けは好み。

犯人の男を演じたロバート・デ・ニーロは流石の演技で、できた人間性から狂気の眼差しまで肉体美と共に堪能できる。
また、娘役のジュリエット・ルイスは恐怖や困惑を笑顔で誤魔化そうとする中の一瞬の真顔など、繊細な表情に魅力が詰まっていて良かった。

リメイク前の映画は未鑑賞だが、そのキャストが色々とカメオ出演しているらしい。
古い映画を見ていく機会もいつか作りたいなぁ。
きょう

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