10円様

クライムズ・オブ・ザ・フューチャーの10円様のレビュー・感想・評価

3.4
 ㊗️おめでとう!わたくし!㊗️

 いつ間にやら誕生日になってました。
 朝起きて「今日は何曜日だ?休みか?仕事か?」と迷う休日。前の投稿から2週間も経っていました💦更に歳をとったのでもうこの激務は辛くなりましたね😅金曜日は意識が半分なかったし…こんな生活してるので皆さんになかなかコメントを差し上げられずごめんなさい🙏

 で、何とか時間を作ってデビッドクローネンバーグを観ました。
 彼の映画は久しぶりでしたがこの独特の世界観は健在でしたね。「裸のランチ」でも観られたように、有機体とテクノロジーの融合。この気持ち悪いフォルムがハマれるか否かでクローネンバーグファンが別れると思います。
 身体改造は古来儀式として捉えられ、加持祈祷、または罪人への罰としても使われてきました。それが現代ではアートとして注目されています。この映画はそれの究極系ともとれましたね。
 人類の進化にも個別性があり、この進化、個性を活かしたアート表現。腹を裂いて内臓を取り出すだの、耳がたくさんくっついた人が踊るだの、それがごく普通に存在する未来は受け入れ難いところがあります。カンヌ映画祭では途中退出する人が多くいたようですが、クローネンバーグの映像は人の嫌悪感を刺激するのです。彼にしてみれば「してやったり」という感じかな?

 ただこのアート映画は前衛的というには前時代的の前衛という感じがしました。齢81歳のクローネンバーグですかこれまで築いたキャリアの範疇から出ていない気はします。
しかし、81歳でありながらもその才能は一定的に維持されているのは凄いです。50歳〜60歳で活躍した大監督も70歳で映画を作ると「こんなもんか」感が出る人は多くいます。クリントイーストウッドやスピルバーグなんかは娯楽映画の部門でまだまだ現役という逸材で凄いと思いますが、クロネーンバーグもこの手の部門では生涯現役を貫けるかもしれませんね。
 最近息子が作った「インフィニティプール」が公開されましたがどんな感じなんだろう。正直「アンチヴァイラル」は好きじゃなかったなぁ〜

 デビッドクローネンバーグは1970年に「クライムオブザフューチャー未来犯罪の確立」という低予算映画を作ってるんですよね。何でも監督が観たある映画の中で、主人公が詩を書いていたそうです。主人公のメモ書きがアップで写ったとき「クライムズオブザフューチャー」という文字があり、監督はこの詩の映画を作りたかったらしいです。しかし、低予算映画では全てを描ききれず、今になって同タイトルの本作を作ったのだとか。
 内容は全く違うけど「未来の犯罪」というテーマは同じなようで、現在観るのは難しいと思うけど1970年に作られたそれと比較してみるのも良いかも。

 21世紀におけるクロネーンバーグ的な未来犯罪とは何か?
 彼はインタビューで答えてましたが理解不能だったので諦めました…
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