なかじま

聖地には蜘蛛が巣を張るのなかじまのレビュー・感想・評価

聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)
4.2
蜘蛛とは、信仰に背き売春行為を行う娼婦達か、神を狂信し殺人を行う者か。単なるサスペンスに留まらず、イスラム教の信仰や男性女性観にまつわる社会問題に真っ向から切り込んだ骨太の傑作。娼婦に対する悪は描かれるが、娼婦の性を利用する男性の存在を見失ってはいけない。主人公ラヒミの猛進っぷりも主題の中でしっかりと意味があって抜け目ない。あっさりと行われる死刑執行、狂いに狂ったビデオレコーダーからの長男の足を捉えたラストショットに神を排除した絶対的な現実をうつす。世の男性みんながあのぽっちゃり眼鏡くんみたいだったらいいのに。
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