主人公はあまりにも辛い現実世界に「こうあってほしい」と誰もが思う強い女性、さしずめスーパーヒーローのような存在
薄味だがバディもの風味でサスペンス調に物語は進む
だが、観客の希望の光である主人公は前半でほぼほぼ役目を終え、残りは無常な現実が待ち受ける
誰もが気にかけたのは息子アリだろう
アリは父が罪を犯したという現実から逃げるように法廷で演説を繰り広げる父の姿と熱狂する大衆の姿でどうにかアイデンティティを保つ
そして無常な現実はここでもアリに残酷な道を指し示す
ラストカットは何よりも最悪で残酷だが、しかし現実だ
衝撃的なストーリーを劇的にはせず、だが淡々とは描かない構成に舌を巻いた
凄まじい作品
