せいけ

聖地には蜘蛛が巣を張るのせいけのレビュー・感想・評価

聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)
4.7
実際に起こった連続殺人事件をベースに作られたサスペンス
イランが抱える信仰の理不尽さ、側から見ると歪に感じてしまう社会背景を端的に示しながら展開していく演出の手腕がまず素晴らしい
男性優位社会に染まり切らず戦う、主人公の女性ジャーナリストのたくましさと恐怖を湛えた演技は見どころ
化粧やカメラというレイヤーを重ねることにより真の主題がより明確になる
特にラストカットはいわゆるフィクションによる映画らしさとは違った映画の特性を活かした鋭さだったように思う
ここで描かれる出来事は対岸の火事なのか
20年経った今を見つめる必要は多いにあるはず