ポケ文太郎

聖地には蜘蛛が巣を張るのポケ文太郎のレビュー・感想・評価

聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)
3.7
2022年 デンマーク🇩🇰

前作北欧ミステリー&ファンタジードラマ『ボーダー 二つの世界』で度肝を抜かれてしまったアリ・アッバシ監督の長編3作目

本作は2000年頃イランの聖地マシュハドで実際に16人もの犠牲者を出した連続娼婦殺人事件から着想を得たクライム・スリラー

宗教やモラルを盾にとって己の犯罪行為を正当化する犯人
そしてそんな犯人をヒーロー視する大衆

しかし実際の犯人の動機なんて上手くいかない腹いせにすぎず、女性に対する怒りを娼婦にぶつけているだけ

イスラム社会の話ではありますが、こんな“男”世界中にいます

女性を蔑む思想を保つのに、何の意味があるのか!?

ただ本作の恐ろしいところはラストの展開
犯人の息子の行動には背筋が凍りました

現在デンマークを拠点に北欧で活躍しているアッバシ監督はイラン出身
本作を制作したせいで「故郷を失った」そうです
本当の事を発言・表現すると排除されてしまう国
映画よりも恐ろしいです
ポケ文太郎

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