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聖地には蜘蛛が巣を張るのmaoのレビュー・感想・評価

聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)
3.9
イランで実際に起こった連続娼婦殺人事件をベースに、事件を追う女性ジャーナリストと犯人視点で描かれるアリ・アッバシ監督のクライムサスペンス作品。

観終わってどん底気分。
娼婦を殺せば街が浄化する、生まれた時から根付いてる人の信条や固定観念を覆す難しさ。国や宗教によって時代が変われども国によってここまで人権が蔑ろにされるのは、観てて憤り超えて気持ち悪くなった。宗教と殺人は別でしょうよ…と思わずにはいられない。
そしてそれが次の世代に当たり前に受け継がれていくおぞましさ、男性性の在り方を問えば抹殺されてしまう風潮、とにかく観てて他国にこのような作品で発信していくしかないのかっていうやるせなさ。売る側は殺されても仕方ない、買う側には何の処罰感情もない、何故?と誰も疑問を呈さないのもね。
あと神が許してくれれば何でもいいんかいっていう、人間の愚かさも宗教を通して描かれているので胸糞覚悟で観てみてほしいです。
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