なんか、白木といういい加減な小説家のオヤジが、瀬戸内寂聴さんと不倫する話で、不倫が元で瀬戸内寂聴さんが尼さんになるのだけれども、ただ、それだけの話なんですよね。なんかもっと生々しい男女の話かと思ったら、話ばかり多くてピンとこない感じ。話だけで生々しくしようとしているのに無理がありますね。
よく分かりませんが、瀬戸内寂聴さんって、もっとどろどろした生々しい体験があって尼さんになったのではないのかな。この映画では、瀬戸内寂聴さんが急に尼さんになると言い出して、それ以前の物語が中途半端だから、ストンと落ちてこないんですよね。
あと、時代考証が甘い。1960年代からのお話なんですが、街並みがもう現代で、地味な映画だからお金使えなかったのは分かりますが、もうちょっと昔っぽくしてほしかったかな。時代を感じるのはブラウン管テレビだけでしたね。
結局、瀬戸内寂聴さんの苦悩とか、ドロドロした生々しい話はないままで、その愛人の白木ってオヤジの思考回路もよく分からないし、結局何を訴えたかったのか分からないまま終わってしまいました。
ウィキによると、この映画の原作のために、瀬戸内寂聴さんが全面協力したということですが、これじゃあ、瀬戸内寂聴さんが話し損ですね。もっと人間くさいドロドロした映画をつくりなさいよ。