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ゴールデンカムイのTheylivebynightのレビュー・感想・評価

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)
2.4
シネマトゥデイに掲載されていた原作者のインタビューがひどくて(アイヌの人は工芸が得意だから「適材適所」で協力してもらった、「一歩深い考えで判断していただきたい」)、でもそれは宣伝担当や編集者の責任でもあるだろうし、見なきゃ何も言えないので見たのだが…。そういう次元ではなかった。山崎賢人へただな、とか、野山を放浪してるのだから、さすがにもう少し衣装を汚してほしいとか、序盤から違和感があったが、そういう次元ではなかった。
多すぎるキャラクターを登場させるに終始し、人物の痛みを軽薄に説明する一方で、大きな力の不均衡は描くことなく、何も原作から捨てられていない脚本(コミカルさは、ひとつも笑えなかった)、テンポも悪ければ、段取りも適当な演出、陰影を放置した撮影。これじゃどんな役者も厳しい。山崎賢人も矢本悠馬も山田杏奈も、すごくいいのにスポイルされているんだ、と途中で気づいた。
何より、主人公が本格的には何も動かないまま、終わりを迎えるラスト(ここにきて?と思わずにいられなかった過去エピソード)。このペースなら、あと3-4本は必要で、冗長きわまりない。面白いところもあった大ヒットマンガの実写化がかくもスベるのは、インタビューに現れていた原作の表面的としかいえない軽さのせいだけではなく、マンガと実写映像の違いを理解せず、映画というものを信じない制作者たちの怠慢ではないだろうか(文句言う人は見るな、の時代だし、原作ラバーは「忠実な再現」に歓喜するのかもしれないんだけど、でもさ…)。

眼病を患う幼馴染を救うため、不死身の男は、アイヌの金塊を探す。アイヌの少女と協力し、第7師団やヒグマと闘い、新撰組残党が入り乱れた末、なんとしても金塊を入手することを決意する。
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