ーカント オロワ ヤク サク ノ アランケプ シネプ カ イサムー
これまであらすじやタイトルからこの作品はアイヌと共同戦線を組んだ、トレジャーハントを描いている作品だと思っていた。しかし、この副題が示すようにこれは一つの人間讃歌、いや、生命讃歌だと感じた。
この世界に生きとし生けるものには役割がある。不死身と呼ばれ友を失った男、父を失い野山に暮らす少女、過去の亡霊と言われる老人、傷を負ってもなお野望に燃える男、彼らに与えられる役割とは。物語のキャストを登場人物と呼ぶようにこの世界の生命は自分も含めなにかなすべきことがあるのかもしれないと思わされる。
金塊はあくまでも一つの通過点であり、なすべきことを追い求める命の物語。