ゴルカム実写映画。正直マンガアニメの実写化は食傷気味なので、公開当時は劇場には行かず。ネトフリにあったのでこのたび初視聴。
良く出来ていたとも言えるし、予想道理の完成度だったとも言える。
まず映像的には良く出来てはいる。二百三高地や当時の小樽の風景、ヒグマや狼のCG等は違和感が殆ど無い完成度の高さだ。この辺は文句なし。
そしてキャスティングだ。概ね良いのだが、それでも主人公・不死身の杉本に山崎賢人は無いわぁ〜。何でもかんでも事務所パワァか知らないが山崎賢人に演らせおって。
山崎賢人は怒鳴る・ガナる演技しか出来ないんだもん。顔も幼くて杉本の持つ色気や風格が無いし、何よりもシリアス・アクションからのコメディへの振り幅が狭い。
シリアスからコメディの振り幅が狭い、という点に関してはこの映画全体にも言えることだ。
原作は金塊に対するミステリアスでアクショナブルな展開の面白さに加え、各個性的なキャラのコメディエンヌさ、アイヌに対するウンチク、更にはグルメなどが見事に混在しているのが魅力なのだ。
この映画に関しては、入れ墨人皮に関する争奪戦のドラマは見応えあるが、それ以外の要素は確実に弱い。
演出も説明セリフが多いのも気になる。ラストで捕まった杉本が二階堂の腸を利用して脱出した際に、鶴見が「腸を盗んで行きおった…」とか見れば判ることをセリフで言っちゃう。
ストーリーは想像通り、ほんの序盤だけ。WOWOWのドラマで続きを作ったようだが(現在未見)それでも壮大なストーリーを完結させるにはほど遠いだろう。
ぶっちゃけ、この実写シリーズって絶対に最後まで完走できないよね…?そう考えるとやっぱり企画として間違ってると思う。
アニメが原作のテイストを含め上手く作っているのだから、むしろ劇場用アニメとして10作くらいでリメイクして欲しかった。