MasaichiYaguchi

こどもかいぎのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

こどもかいぎ(2022年製作の映画)
4.0
「うまれる」シリーズの豪田トモ監督が、子どもたちが「かいぎ」をする保育園を1年間にわたって取材したドキュメンタリーを観ていると、我々、大人が思う以上に子どもたちは感じ、考えていることが伝わってきて、目から鱗が落ちる。
或る保育園で新たな取り組みとして始まった「こどもかいぎ」は、子どもらしい疑問から人生哲学的なテーマまで多岐にわたる議題で、子どもたちが輪になって自由に話し合う“場”を作っている。
話し合いで必ずしも“答え”が見出だせなくても、保育園側は、子どもたちが自分の思いを言葉にして「対話」することを大切にしている。
映画は、時に子どもたちが喧嘩をしても、当事者たちが対話で相手を理解することで、他者への配慮や優しさを学んでいく姿も映し出す。
そんな子どもたちの日常は、大人たちにコミュニケーションの原点を気付かせてくれると同時に、彼らの奇想天外な発想と真っ直ぐな言葉から、社会が抱える様々な課題を解決する糸口のようなものが感じられる。
登場する子どもたちは私にとって孫世代だが、若い世代、特に未婚の女性は本作を観て子どもが欲しくなると思うし、幼児を抱える若いお母さんは、このような保育園に入れさせたくなると思う。
子どもを産むのも、その後の育児はもっと大変だが、登場する子どもたちの“可能性”や“希望”に満ちたキュートさを見たら、愛おしくて仕方ないと思う。