MasaichiYaguchi

風の奏の君へのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

風の奏の君へ(2024年製作の映画)
4.0
あさのあつこさんの小説「透き通った風が吹いて」を原案に、自身も美作市で育った大谷健太郎さんが監督・脚本を手がけた本作では、お茶の名産地である岡山県美作地域を舞台に、ピアニストの女性と茶葉屋を営む兄弟が織りなすラブストーリーが繊細に繰り広げられていく。
美作で無気力な日々を過ごす浪人生の渓哉と、家業の茶葉屋「まなか屋」を継いで町を盛り上げようと尽力する兄・淳也は、或る日、コンサートツアーで町にやって来たピアニストの里香が演奏中に倒れた為に、療養を兼ねてしばらく家に滞在させることにする。
かつて大学時代に東京で里香と交際していた淳也は彼女に対して冷たい態度をとるが、渓哉は里香に仄かな恋心を募らせていく。
実は里香には、どうしてもこの地へ来なければならない理由があった。
ヒロインの里香役の松下奈緒さんは、ミュージシャンでもある自身のキャリアを投じて劇中曲の作曲も手がけ、演奏シーンでは吹き替えなしでピアノ演奏を披露している。
里香が兄の元恋人であると知りながら、惹かれていくのを止められない渓哉には杉野遥亮さん、その兄・淳也役のflumpoolボーカル山村隆太さんは、本作で映画デビューを果たしている。